土地の気候と色彩の関係
あっという間に桜が満開になりました。
新潟では今年の関東と違って、花散らしの雨もなく快晴が続きそうな天気予報です。
お花見スポットは特にこの土日、賑わっていました。
さて。
着物の世界では”季節の先取り”ということで、桜の季節には桜の柄を着ない・・・(つまり開花する前の時期に桜の柄の着物を楽しむという様なことで、花は桜に限りませんが)と言われております。
個人的には、関東ならいざ知らず、やっと着物がコートを着ずとも楽しめる季節になったのに、本物の桜と桜の着物の競演を楽しんで何がいけないの?と思ってしまったり。
温暖化の影響もあるので、あまり雁字搦め(がんじがらめ)に着物の作法に縛られなくても良いのでは?と思う事しきりです。
初夏を過ぎた辺りの暑さは相当なものですから、6月の衣更の頃まで単衣を我慢する必要があるだろうか?と。洋服は既にその頃、麻のシャツだったりするのですし。
ちょっと、枕?が長くなりました。
今回は、「土地柄と色彩の関係」について書いてみたいと思います。
東京と横浜で暮らした長い期間、私のワードローブがある程度固まって来て。
それらを整頓して、一軍を選り分けて帰郷したつもりなのでしたけれど。
・・・なんと。
それらが「つまらない」というのか「地味」に見えて仕方がないのです。
白、黒、グレイ、紺色、ベージュ、カーキ、キャメル。
それら定番のワードローブに、プラスでちょっとしたアクセント小物で着回しておりましたが。
コレがね・・・地味すぎて、暗くて、逆に浮くのですよ。
こちらでは。
都会ではシャープでお洒落な面々でしたのに。
そこで、新潟市のおしゃれスポットの、万代シティや新潟駅周辺で観察してみました。
冬の新潟市では、あまり黒いコートを来ている人が少ない様な?
黒いコートを着ているなぁと思った人は、出張で来られている方の方が断然多いみたいなのです。
学生(学校指定のコート)以外は、なんだか薄い色や明るい色を着ていいらっしゃる。
で、思いました。
曇天の雪模様の冬には、気持ちが明るくなる色を選びたいじゃないか!と。
水蒸気の多い新潟は、白が混じる色目が馴染むよね!と。
皆さんは、都市の色味スケールをご覧になったことがありますか?
田圃、森、海、砂浜、雪、農産物、花、観光地等イメージする色の集合体で都市のイメージパレットを作ったものなのですが、新潟市は青青した田圃の稲のイメージよりも(少しだけ反映されていましたが)、どちらかというと雪や海の色合いが濃く、ちょっと北欧風なカラーパレットだったのでした。
ブルーのグラデーションと白とグレイが中心のそのパレットは、すごく軽やかなイメージの色の集合体でした。
対して東京は、コンクリートの道路やビルをイメージした結構どっしりした色合でした。
サマーウールのビジネススーツが似合いそうなオフィス街のイメージ。
アクセントカラー?も強めで。
冬はバリバリに乾燥し、夏はギラギラの太陽と照り返しとエアコンの熱気で茹だる様な暑さの都会。
背景となる色合いや気候が反映されているそのイメージパレットを見て、その土地に似合う色味とファッションがやっぱりあるんだなぁ〜と膝を打った次第。
気候が気持ちにも働き掛ける・・・知識があっても実感しないと、解らないものだな・・・と。
そして、私は、少々明るい色や華やかな色味のシャツなど買い足して、つまらない地味なワードローブに軌道修正を図っているところ。
年齢も妙齢なので、色に元気を貰って活力を補う意味もありますが(笑)。
ファッションと色彩をもっと楽しめそうな予感がしております。
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写真はお花見スポットで撮影した桜の花のアップです。
空が気持ち良いくらい晴れて、キラキラした感じに撮れたかな?
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