蝉の初鳴き。
梅雨入りしてから数日経ちましたが、昨日(6月26日ですね)近所の桜並木を散歩していましたら、今年初めてのセミの鳴き声を聞きました。
たった一匹が、一所懸命に「誰か僕の彼女にならない?」と声を張り上げておりました。
今は二十四節気七十二候では、夏至/次候の第二十九候「菖蒲華咲く(あやめの花が咲く・・・ややこしいのですが花菖蒲を指し、菖蒲とは別物なのですって!)」の時期。
検索して見たところ、例年ではセミの初鳴きは関東はで7月上旬だとか。
今年は少し、早いみたいです。
・・・温暖化の影響もあるのでしょうか?
一番早くセミが鳴くのは北海道で、北から順に降りて行くのだそうです。
桜前線とは逆に進むのですね。
北の方は、春と夏が短くて繁殖のシーズンが限られていますから、多少寒かろうが頑張らなくっちゃいけないのでしょう。
短い「恋の季節」・・・ファイト!?
夏至は昼間の長さが一番長い日ですが、これも北の方が長い。
北ヨーロッパでは白夜が有名で、考えれば納得なのですが、なんとなく暑い地域(赤道に近い方面)の方が昼間が長い感じがしてしまう・・・のは、何故なんでしょうか?
そんな気がしてしまうのは私だけ?
そういえば随分以前のことですが、仕事で6月にフランスのパリに出かけた際、午後6時くらいだと思っていたのに午後10時だった!という経験がありました。
すごく明るかったので、びっくりしたことを思い出しました。
因みに、ヨーロッパにはセミがいない?(※生息地が市街地ではなく森林地域で、認識されるほど煩くないらしい)んだそうで。
来日した欧州の人は初めて大合唱のセミの声を聞いた時、「水道管の具合が悪いのか?工事でもしてるのか?」と思ったと聞きました。
慣れていない音には、びっくりしますよね?
煩く感じてしまったら、リラックス&安眠どころではありません。
音といえば・・・こんな話を聞きました。
故郷の友人の家は海のすぐ近く。
5〜10分程歩いて、松林を抜けると長い砂浜と海。
夜には、遠くに波の音が聞こえます。
荒れた日でなければ、ゆったりとした呼吸のような静かな音です。
そういった地域に、街で暮らしていた人が「自然が近い暮らしがしたい」とお引越しをされたのでした。
ところが、波の音にどうしても馴染めない。
落ち着かないというのか、不安になるというのか・・・。
結局、また、街中に戻って行かれたそうな。
彼等にとっては、意識せずに居られる「街の騒音」こそが、慣れ親しんだBGMだったのです。
相当に波の音が辛かったのでしょうね。
故郷の実家周辺では、初夏からは雨蛙達の合唱がたっぷり聞けます。
そして、晩夏の夜にはジジジジジ・・・と俗に言う「ミミズが鳴く」という音も聞こえます。
何せ、田んぼと畑の田園地帯。
実際には発声器官が無いので、ミミズは鳴けません。
これは、ケラ(オケラと言いますね?)という、バッタの親戚(コオロギみたいな)の昆虫が鳴く声。
土を掘るのが得意なので土中で活動し、地中から声が聞こえると言うことで。
誤解が広く浸透したのは、「蚯蚓鳴く(ミミズ鳴く)」という秋の季語があったから。
昔の人がそう思って俳句の季語にしてしまったのなら・・・。
間違えても仕方ありません。
・・・こう言う自然や季節が奏でる音は、空気の美味しさと相まって落ち着きます。
でも、育った環境が違うと、「騒音」になってしまうかも知れません。
全方位OKなモノ・・・というのは、多分、どこにも無いのでしょうね。
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写真は藪萱草(ヤブカンゾウ)の花。
凌霄花(ノウゼンカズラ)と同時期に咲く、同じオレンジ色が「夏!」な、力強い花です。
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