花梨の花に会う。

連休中に帰省したのですが、そこでの初体験が「花梨の花」との遭遇。
ちょっと蝋細工の様な、ピンクの愛らしい5センチ未満の花です。
そもそも、高校生まで暮らしていた実家に「花梨の木」があると気付いたのも、2年ほど前でした。家の裏側もよく見ていたはずなのですが・・・気が付かなかったんですね。
私の田舎の「昔からある」多くの家は、木々が周りを囲んでいます。
木陰があって涼しい反面、北側の日当たりは良くありません。
花梨の花は日当たりのよい外側に向かって枝を伸ばしていて、しかも、かなり上で咲いています。裏庭?で花に気付く確率は低いのです。
そんな訳で、小柄な母が花を見たのも今回が初めてなのでした。
花梨の実で、花梨酒を作ったりしていたのに!です。
花の可愛さに、母はとてもはしゃいでいました。
花梨の花が枝を伸ばしている外側は、日当たりの良い農家さんの桃畑。
桃の花がそろそろ終わりの頃で、天気はとっても良くって・・・。
その木の下で、雉のカップルがデートしています。
のんびり寄り添って散歩?している姿が微笑ましい。
里山ではない、平坦な田んぼと畑が広がっているこの地域で、雉が見られる様になったのは、ここ10年〜15年くらいのことです。子供の時は、見ることがありませんでした。
遠くに見える山から降りてきたのでしょうか?
山に食べ物がなくなって、クマが里に降りてくる様に、雉も移動してきたのかもしれません。
母は、近くの川の河川敷の薮に住み着いたのではないかと言います。
雉の鳴き声は、油ぎれの自転車のペダルを漕ぐ様な・・・。そう、錆びた金属音なのです。
子供の頃、鶏やチャボの鳴き声が朝を告げたものでしたが、今は野生の雉の声。😁
梅雨に入る前のこの時期は、「緑が滴り」「花が咲き乱れ」て「空気が澄んで」います。
私の故郷の自慢のこの季節には、昔から旧暦の5月の節句に開催されてきた行事があって、その準備で、大人も子供も「そわそわ」し始めています。
参加しなくなって久しいですが、子供の頃のワクワク感が懐かしい。
関東に帰る直前に、母が「自家製花梨酒」をお猪口でふるまってくれました。
今はあまりアルコールが飲めないので、少しだけ「花梨の味」を楽しみました。
いくつになっても「初めて出会う」ことがあるのが嬉しいと思います。
「懐かしさに出会うこと」も嬉しい。それらがどんなに小さな出会いでも。