晩夏の贈り物。
JA新潟みらいさんにお願いしていた極晩生種の桃、「白根白桃」が届きました。
白桃なのに、赤くて、甘くて、大きくて、硬い。
「はぁ〜っ!・・・美味しい!たまらん!」
新潟市の茨曽根の地域で(突然変異種のようなのですが)発見された原木から、近年栽培が広がった品種のようです。
その珍しさと収穫の時期(晩夏というか、秋)が付加価値ですね。
品種としては、まだまだ知名度が低いのですが、山形など数県でも栽培が始まっています。
私は、山形の果物の通販サイトで、「存在」を知ったのでした。
でも、山形県のサイトでは注文しませんでした。
なんだか、やっぱり原産地のものが食べたいと思ってしまったから。
原産地になったということは、その果物が「環境に合わせて変化した結果」だと思うから。
形状や収穫時期のズレという変異は、「必然」だったと思うので。
夏はものすごく暑くて、冬も相当に寒い。
夏と冬の湿度の高さもかなりのもの。季節の風景の色合いが、水蒸気で煙っている感じ。
そんな地域に生まれてきた「桃」なんですから、そこで育ったものが食べたい。
そして、育った場所で食べるのが、本当は一番美味しいのだとも思いますけれどね。
「美味しいものは旅ができない」とも言いますし。
・・・ちょっとそれは、タイミングが合わないのでお許しいただくこととして。
田んぼと果樹園が家を取り巻く地域で生まれ育った私としては、果物や野菜は近所の農家の方からいただくことが多かったのですが、今はそういう環境でもありません。
「旬」をいただく・・・。
なんて贅沢な子供時代だったのでしょうか。
子供の私は、「硬くて甘い」桃が大好きでした。
柔らかくなってしまった桃には見向きもしなかった。
子供ってヒドイ(笑)!
今でも、好みは変わりません。
さすがに、出された柔らかい桃に見向きもしないということは、もうありませんけれど。
いつかは その「田んぼと果樹園の緑の里」に帰りたいと、ずっと願っています。
さだまさしさんの歌に「やはり野に置け れんげ草 」という一節があります。(その前に、「始める前から終わる恋もある・・・」とあるので、ちょっと寂しい恋の歌です。)
ホイチョイプロダクションが関わっていた映画の「私をスキーに連れてって」は、普段は冴えないのに、スキー場ではめちゃくちゃかっこよく見えるサラリーマンの(ゲレンデマジックというそうです)お話です。
桃の話がきっかけにしては、少し大げさかもしれませんが、人には「楽に息ができて一番綺麗に輝ける場所」がそれぞれあるに違いないと思います。
「ささやかな幸せを感じながら穏やかに暮らせる居場所」が誰にでもある・・・きっと何処かに・・・そう、思っています。
夏の終わり。
居場所を見つけられずに命を落としてしまう、まだ小さな人たちのことを思います。
先の戦争で失われた沢山の人たちの命。
お盆の御墓参り。
・・・命の大切さを考えることの多い八月は、鎮魂と祈りの月でもあるのでした。