恋愛は山登り?
漫画家サラ イネスさんの作品に、「誰も寝てはならぬ」があります。
(彼女は「大阪豆ゴハン」の時にはペンネームがサラ・イイネスだったのですが、「誰も寝てはならぬ」からペンネームを変更されました。)
「大阪豆ゴハン」とも通じる、緩〜い感じの絶妙に気持ちのいい作品です。
私は全巻持っておりまして、たまに読み返してはクスクス笑っています。
結構、前の作品なのですが、あまりブックオフに並んでいるのを見ません。
みんな、この緩い空気が好きで、手放さないんだと思います。(私もそうだし)
舞台は東京の「寺」という銀座近くのデザイン事務所。
主人公は社長のゴロちゃんとイラストレーター(アーティスト)のハルキちゃん。
中学からの長い付き合いの二人は共に関西の美大出身で、ゴロちゃんはデザイン事務所、ハルキちゃんは広告代理店を脱サラ。一緒に「寺」を切り盛りしています。
そのゴロちゃんの名言(迷言?妄言?)に、「愛っちゅうのは登山と一緒や!アカンと思ったら即 引き返す勇気が必要やねん」っていうのがあって。
物凄い説得力?に、大爆笑だったのでした。
ちなみにゴロちゃんは×3、ハルキちゃんは×1。
漫画の話ではありませんが、この「恋愛の下山のタイミングを見誤って遭難する方々」の話を酒の肴に、いつものお店の常連たちで盛り上がります。
一般ピーポーの「だめんず・うぉ〜か〜( by 倉田真由美 氏 )」の話が、また面白い。
「だうぃめんず・うぉ〜か〜」もある。
下山のタイミングを逸するという以前に、登っては駄目な山もある。
困難な山にあえてアタックするとか、「なぜ登るのか?そこに山があるから」という、冒険者的な義務感でもあるのか、もう、登る登る(笑)。
はたから見れば、それはアウトだろうとはっきり判るのに、当の本人には見えていない。
「他の人にはそうだったけど、私とは違う。そうはならない。」という感覚があるようで。
あいつはロクデナシだから!とみんなが止めても付き合っちゃう。
結果は大抵 同じで、遭難、滑落、もしくは雪崩に遭遇する。
これはもう、「性(さが)」とか、「質(たち)」「趣味」「嗜好」としか言いようが無い。
好きなタイプが「ロクデナシ」なんだから。
毎回、本人が「今度は違うかもしれない」と言う相手は、側から見ると同じタイプなんだもん。
「懲りないね〜!」って、当人は周りから言われています。
面白いですよね。
「蓼食う虫も好きずき」だし、恋愛リユースや恋愛リサイクルもありそうです。
ひょっとしたら、同じ大きなくくりの中で、くるくるパートナーが循環しているのかもしれません。類は友を呼ぶとも言いますし。
恋愛リデュース(減らす)は、彼らの辞書には無い気がします。
そんな彼らの偏向した「武勇伝」を聞かせてもらって、楽しんでいます。
「スペシャリスト」の話には、凡人には出会うことのない驚きのエピソードもあったりして。
好みが違うから、そういう意味で「恋愛のダイバーシティ」は確保されている(笑)。
彼らとは、いい意味で?住み分けができているんですね。
自分に火の粉が降りかからなければ、他人の恋愛話は酒の肴、しかも珍味!?
※写真は、山にちなんで、「富士山グラス」に注いだノンアルコールビール。
散る手前の首がぐったりしたバラを短く切ってガラスの器に。花を最後まで楽しめます。