空高く。
秋の空は高い。
私の故郷は、夏も冬も水蒸気が多い地域です。
そんな訳で、太平洋側に比べて、空の色に白が多く混じっていると感じます。
絵本画家の黒井健さんも、その様に仰っていたと記憶しています。
それでも、秋は突き抜ける様な青空を見る機会が多い様な・・・。
空の色の見え方は、水蒸気、チリ、埃などの空気中の分散量が関係しているそうです。
太陽光線が、それらにぶつかって散乱する。
光がいろんな方向に反射(=乱反射)すると、目に見える光は白っぽくなる。
秋や冬は空気が乾燥しているし、埃っぽくないから、散乱が少ない。
つまり、空気が澄んでいる。
だから、空は白っぽさが少なくなるし、高く遠くまで見えるということの様で・・・。
チリやホコリや水蒸気の量には、高気圧の出身地(大陸性か?海洋性か?)も、大きく関わっているといいます。
青空の色味については、さらに地学?の知識もプラスされるそうです。
地球の自転の回転軸が、公転(=太陽の周りを惑星が回ること)面の垂線に対して、約23.4°の傾きがあるために、太陽の南中高度が変化して季節が作り出されて行く。
太陽の高度が下がれば光量もその分落ちますし、光が斜めから差し込めば、結果的に分厚くなった大気の中を、屈折率の低い赤い光がより多く進んで、届く。
夕焼けが赤いのは、そういう理屈だそうです。
太陽の南中高度が下がる秋の空は、薄く赤のフィルターがかかる感じでしょうか?
青空が、少し紫っぽくなるのだそうです。
色相が、わずかだけれど変化する。
ファッション業界では、毎回、実シーズンの2年前に、トレンドカラー情報を発表している組織(=インターカラー)があります。
トレンドカラーは、意図的に生み出されている・・・と、言えます。
そうであっても、やはり揺るぎない「季節の色」が有ります。
店頭に赤みのフィルターが掛かった「季節に馴染む色」が、増えるのは当然のことだと思います。
気温の低下で、温かな素材になるのは勿論のこと。
アクセサリーには、「澄んだ夜空に光り輝く星」の様な、キラキラ系が目立ちます。
陽が傾くのが早いから、「光や灯の様な輝き」に、心を奪われるのかもしれません。
秋は、オシャレを楽しむ季節だとも言います。
天高く・・・、美味しいものは多いけれど、なるべく肥えず・・・に楽しみたいと思います。