top of page

風花・雪虫・ケサランパサラン。


 雪のように白くて、ふわふわと綿毛のように空中を舞うもの。

それらの名前が、この「風花」「雪虫」「ケサランパサラン」。

どれも、ロマンチックな名前です。おとぎ話やファンタジーの匂いがします。

積雪がたまにしかない地域で耳にすると、余計に想像力が掻き立てられるようです。

今日は未明から雪が静かに降り始めて、屋根にうっすら積もりました。

雪が降った所為か、久し振りにこれらの名前が、頭に浮かびました。

今日の雪は、只、真っ直ぐに落ちてくるような降り方で、ふわふわと風に舞うような風情は無いのですが・・・。

「風花」は、遠くの山に積もった雪片が風に飛ばされて、冬の晴れた日に里に届く「雪国からの便り」のようなもの。冬の季語であるらしいのですが、私は冬の終わり・・・春の始まりの頃に目にした記憶があるので、早春のイメージを持っています。

「風花」と違って記憶に自信がないので、ウィキペデア等で「雪虫」と「ケサランパサラン」を調べて、私なりにまとめて見ました。

 「雪虫」は5mm前後で全身が綿毛に包まれたようになるアブラムシの仲間で、代表的なものに、リンゴワタムシがあげられるそうです。別名、綿虫、ユキンコ、しろばんばとも。通常は単性生殖で羽も無いのに、越冬前の秋には交尾して産卵するために、「雪虫」と言われるような形態に変態するとか。

力がないので力強く羽ばたかず、ふわりふわりと風に運ばれていくように移動するらしい。

雪虫も冬の季語。・・・だとしたら、初冬の季語になるのでしょうか?

 この2つと異なり、ケサランパサランは正体不明。

しかもケサランパサランという名前は、日本産。江戸時代からの民間伝承のようなのです。

てっきり外来語だと思っていたのでした。

イメージは風花や雪虫とよく似ていて、外見はタンポポの綿毛のような、うさぎのしっぽのような白い毛玉のようなものだと言います。

小さな妖力を持つ妖怪で、空気穴の空いた桐の箱で飼うことができるとか、白粉が餌だとか、飼い主に幸せをもたらすとか・・・。

正体とされるものは、植物性(植物の花の冠毛とか、カビとか)、動物性(動物の毛がなんらかの形で毛玉状になったもの)、鉱物性(ケイ酸化合物である、パワーストーンで有名なオーケン石とか)と、諸説あります。

名前については、スペイン語の「ケセラセラ」が語源だという説、「袈裟羅・婆裟羅」(けさら・ばさら)という梵語が語源だという説も。

 ケサランパサランは、正体不明のままの方がロマンチックだなあと思います。

民間伝承ですし、それによって多大な被害や損害が引き起こされたものでもないですし。

こういうものの一部は、科学で証明をしない部分を残しておいた方が、健全というか幸せでいられる気がします。ファンタジーは、人生には必要(大げさ?)だと思いますし、そういうものが想像力の翼を育てるとも思っていますので。

海外にも、ゴッサマーとか、エンゼルヘアという似たような表現のものがあるようですが、「ケサランパサラン」というネーミングの方が、俄然ときめく気がします。

皆さんはいかがですか?

特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Social Icon
  • Twitter Social Icon
  • Google+ Social Icon
bottom of page