ミモザ≒アカシア

花屋さんの店頭を飾る「ミモザ」の花。切り花の他に、ミモザのスワッグやリースも。
小さなポンポンのような黄色い花がたっぷりで、力強い春を感じさせます。
カフェのメニューに「ミモザサラダ」が戦略的に?登場するのも今頃。
ミモザのお花をサラダに使う訳じゃなくて、ゆで卵の黄身をミモザの花に見立てて、グリーンサラダに散らしたりしているだけ(笑)。でも、「ゆで卵の黄身を散らしたグリーンサラダ」と言うより「ミモザサラダ」とした方が、なんだか魅力的に思えたり、聞こえたりする。
ネーミングの大切さを、ここでも感じます。コピーの力は、相当大きい!!
さてさて、このミモザ。
花屋さんで、「ミモザ」として販売されているのは、実は「アカシア」なのですって。
そういえば切り花の隣に、よく似た葉っぱとお花の鉢植えが「アカシア」として販売されていて、「あれ?」って思ったのでした。
それに、同じ鉢植えを「ミモザ」として販売している花屋さんもある。
・・・ということで、ちょっと調べてみました。
最初に間違えたのは、イギリスの花の輸入業者のようです。
南フランスからイギリスがフサアカシアの切り花を輸入する際に、葉っぱや花の形が似ていたので、「ミモザ」と間違えた。そして、それがイギリスで定着してしまったらしいのです。
結果、「ミモザ」はフサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属の植物の俗称になっちゃった。
本当の「ミモザ」は、同じマメ科のオジギソウ属を指す名前。
指で触ると葉っぱが閉じてしまう、あのオジギソウのグループの方を言うのだそうです。
古代ギリシャのミモス(mimos:パントマイムの原型とされる劇のこと)が語源だとか。
「ミモザ」とは、刺激を与えると動くことからつけられた名前だったのです!!
さてさて。
ミモザが本当は「アカシア」なら、「アカシア蜂蜜」は、その花の蜜からミツバチが集めた蜂蜜なのか?と思ったら・・・。なんと!!もうひとつ、ややこしいことに「アカシア蜂蜜」はニセアカシアの花の蜂蜜なんですって。
ニセアカシアは別名、針槐(ハリエンジュ)=(マメ科・ハリエンジュ属。花色は白・ピンク・薄紅で、トゲがある)。
藤のようなお花を咲かせます。アカシア属とは同じマメ科でも、花の形が全く違います。
こちらは、「明治時代に日本が輸入したニセアカシアをアカシアと紹介した」ために、現在も混同されてしまうのだそうです。
当時、既に日本には槐(エンジュ:マメ科エンジュ属。花色は白で、トゲはなし。)があったので、区別するために、ニセアカシアの日本名?を「針エンジュ」にした、と。
間違いや、区別するための名前が入り組んでししまって、複雑なパズルのようなことに。
「ミモザ」の花 ≒「アカシア」の花 ≠「アカシア」蜂蜜 =「ニセアカシア」の蜂蜜 ??
花に限らず、物や文化が伝わって行く時に、色々な間違いや置き換えが起きて変化していくんでしょうね。面白いなぁ。
長い年月を経て「ガルーダという神様が日本では烏天狗になった」ような・・・そんな変化が。
この件については、もっと複雑かな??・・・そして、そんな「経緯を辿ることができる」ことが楽しい!!
ちょっとした「??」にこれからも沢山、出会いたいと思います。
小さなワクワク(知的好奇心って奴ですね)が、毎日を楽しく過ごすためのスパイスだと思うから。