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一瞬の「金木犀」の香り。静かな銀木犀の香り。


 毎年の様に、ある日、いきなり漂ってくる金木犀の香り。

10月になったばかりの土曜日に「熟した黄桃の様な果実風の香り」を感じたばかりでした。

金木犀は、本格的な秋の訪れの連絡係を、毎年 律儀に担当しています。

 1週間ほど楽しめるはずだったのに、今年は大風24号の猛烈な風に小さな花が吹き飛ばされて「台風一過の洗い晒しの青空」に、その香りはありませんでした。

 先日、実家に帰省した際、銀木犀の花が咲いているのに気付きました。

白い花です。

実家には、金木犀の木はありません。なぜか銀木犀だけ。

 金木犀の香りより、控えめでややパウダリーな香り。花の咲き方も控えめです。

大人しめな香りですが、銀木犀の香水があるようです。

有名なJo Malone London(ジョー マロン)にも、定番ではなかったようですが、銀木犀の香水があったと聞いています。

店頭で是非、香りを試して見たかったなぁと思います。復刻版?が出ないでしょうか?

金木犀は、多くのトイレタリー関連商品の香りづけに利用されています。

香りのアピールが強すぎたのか、ちょっと損をしている(笑)。

 金木犀は、銀木犀の変種だと言います。

親よりも、個性の強いはっきりした香りと花付きの良い木が生まれた・・・と。

木犀(銀木犀)のことを桂花、金木犀を丹桂と言います。

でも、桂花陳酒は金木犀の香りづけをしたお酒のことで、色々とぐるぐるしています。

「桂」という字は香りの良い木のことを表すそうです。

月桂樹も、香りの良い木ですものね。

 一説によると、銀木犀も金木犀も「挿し木で中国から雄花だけが輸入された」ために、実を結ばないとか。

どちらもちょっと、耽美な美少年のイメージがあります。

湿度の低い空気が澄んだ秋の夜に、銀木犀の月光のような静かな香りが漂ってくる・・・。

梨木香歩氏の小説に出てくるようなシチュエーションでは無いでしょうか?

・・・長い夜を楽しむ季節がやってきました。

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