「地域バイアス」について。
実家に帰省する機会が増えるにつれて、着ていく服をより考える様になりました。
シワになりにくく、洗濯しても乾きやすく型崩れせず、嵩張らないこと、重くないこと。
そして、故郷で悪目立ちせず無難に見え、且つ私の体型が綺麗に見えるもの。
小旅行の荷造りに似ているのですが、(下線部分が)ちょっと違います。
小旅行ならお洒落なチョイスに力が入りますが、よりカジュアルにシフトします。
帰省用のチョイスは、「お出掛け」と言う非日常感を排除しなければならないのです。
都会では当たり前なのに、地方ではちょっと浮いて見えてしまう様な服・・・そういうものも避ける様にしています。
故郷で派手に見えたり奇抜に感じられない様な服を選ぶこと。
そう。
服装の「地域バイアス」ですね。
流通も情報も時差が無くなって来ているのに・・・。
「似合うけど、早朝の神社の草取りにそんな赤いパーカー(スポーツウエアじゃないかぁ!!)を着ていかないで欲しい。ここらで、そんな派手な色を着て作業に行く人はいない。」
とか、
「ウエストをマークした、きちんとした格好をして欲しい。」
とか、
「そんな、ズルズルした服(くるぶし丈のワンピース)を、やめて欲しい。」
とか。
母は娘の私がいうのもなんですが、パタンナーとして働いていた事もありますから、アパレルの知識は豊富ですし、お洒落な人です。
髪型や、化粧品にも興味がありますし、服装のバランスだって全体が映る大きな鏡でチェックして出かける様な人なのです。
それなのに。
年齢的な事もあるのでしょうが・・・都会に暮らす同年代に比べて周囲を気にする言動が多いと感じます。
家と家との距離は離れているけど、地方の人間関係は思った以上に濃い。
嫉妬されたり叩かれたりしない様に、なるべく目立たない様に・・・自己防衛が知らず知らずの内に叩き込まれている。
地方の娯楽の一つが、他人の家の情報であったりもするので。
(地域外の人が目立つ=治安の良さを担保できる・・・という面もあるらしいのだけど)
そういう環境が、息苦しい人は脱出して帰ってこない。
横並びが優先され、更にスキルアップの機会も少ないとなれば。
・・・過疎化の一つの要因ではないかと感じます。
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ここからは服装以外の「地域バイアス」に対する、個人的な見解です。
他人の噂話なんかより、興味を惹かれるものが沢山あれば良いのではないかと・・・。
そういう地域の近くにある娯楽は、パチンコ屋さん、カラオケ屋さん、レンタルDVD屋さんが精々です。
本屋さんや、図書館、資格取得や楽しみのための教室といった、知的好奇心を満足させる種類の娯楽が少ないのです。
スキルアップを願う人はどこにだっていらっしゃると思うのですが、費用や時間の問題で、手にする機会を得ることができないとしたら、とても勿体無い話です。
ネットがあるじゃないか!とおっしゃる方も多いとは思いますが、熱量も満足度も違うと思います。
直接、質疑応答が可能なのは大きい。
優秀な講師を確保できるかどうか?という別な問題もありますが、ニーズがあれば・・・それも可能ではないでしょうか?
会社帰りの人が利用できる時間帯に、確保できる会場は概ね民間施設です。
民間の会場の利用金額は高額です。
地方の小さい自治体では、民間の会場さえありません。
もし、駐車場も充実している公共施設が、いわゆる”夜学”の時間帯の18:00~21:00まで使用できれば。
地方の公共機関の営業日と営業時間は、平日のほぼ9:00~17:00内ですものね。
・・・これ、なんとかならないものでしょうか?
活用できれば、地方の人材の育成や発掘に、大いに貢献できると思うのです。
(首都圏の公共施設は、色々とトライをされているところが既に多いのですが)
公民館で開催される”教室”は、働いている世代が利用できない時間帯であったりします。
そして地方は、病欠や忌引き以外「有給休暇を消化できない環境の会社」がまだまだ多い。
地方の公共施設の活用と公務員の積極的なシフト制の導入。
地方の活性化には、こんな「小さなトライで大きく変われること」が、沢山、隠れているんじゃないの?と、ボンヤリ思っています。