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佐保姫の裳裾


 春の女神の名前を、日本では「佐保姫」と言いますよね。

春の女神の衣は春霞。遠くの山が柔らかに白く霞んだ様は、まさに春の女神が裳裾を翻してやって来たようです。

いつもは遠くに見える富士山が、こんなに天気が良いのに、はっきり見えないような・・・。

散歩の途中、梅の花が香って来ました。梅林とぽっかり浮かんだ白い雲とのコントラストが、

美しい。幸せな気持ちにさせてくれます。

あれ?梅林の下で、パチリパチリと音がします。

「?」と思って近づくと、梅の枝を庭師の方が枝打ちされています。

こんなに綺麗に咲いているのに・・・。今、切らなきゃダメ?

実家の小さな梅の木は、放っておくと花が沢山つきすぎて、梅の実が小さくなるので、剪定をすることがあるのですけれど。そんな理由なのかと庭師さんにお聞きすると、この梅林は

今まであまり手入れをしていなかったようで、枝が増えすぎたのだそうです。

枝が折れたりして、木の負担が大きいのだとか。

梅の木の下には、剪定された美しい花がついた枝の山・・・。処分されてしまうのでしょう。

 「この枝を少しいただけませんか?」

「いいですよ〜!!。持って行っってください。このハサミで、適当な長さにして。こっちは丁度、少し休憩したいと思っていたし。」

白梅の枝を少し短く切って、三本程いただきました。

庭師さんと、故郷の話もできて、幸せなひと時でした。

まだ雪が残る故郷も、関東よりはゆっくりですが、佐保姫の訪いを心待ちにしています。

春分が過ぎると田圃は田植え、畑は種まきの準備で、農家の皆さんは忙しくなります。

新緑が眩しい季節が、もう近くにやって来ています。

 梅の枝の花束を両手に抱え、川沿いの遊歩道を歩いて帰りました。

なんだか少女漫画の一場面のようではないですか?☺️ ヒロインみたいです。

しかし、見方を変えると・・・・佐保姫の長い裳裾を戴く、お付きの女官のようであるかも

しれません。ほら、結婚式に新婦のベールの端やドレスの裾を持つ役の女の子みたいな。

光り輝く春の姫君の魅力には、誰も敵いません。うん。悪くないです。女官。

姫君の美しさに、只々、かしづいてしまいますね。

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